白井興業株式会社

白井興業株式会社

所在地

中国地方

従業員数

1~50名

業種

切削加工

白井興業株式会社

白井興業株式会社

見積

公開日:

見積業務の標準化・分業化により週2日の営業時間を創出! 老舗企業が実現した見積DX

具体的な課題と導入効果

導入前

担当者ごとで異なる価格設定基準により、見積価格の不整合が発生。新人への業務引き継ぎも困難な状況に

5名の担当者ごとにエクセルの書式や価格設定基準がバラバラであり、過去案件の見積と図面も紐づいておらず、新人への業務引き継ぎが困難なほど見積業務が属人化していた。

また、過去の見積は金額のみの記録で内訳や算出根拠が分からないため、類似案件でも価格の不整合が発生。顧客との信頼を棄損するリスクを抱え、適正な利益の確保が極めて困難な状態にあった。

導入後

見積の適正化と業務の効率化・分業化により、顧客との信頼関係を深める営業体制を確立

過去案件の図面や実績の検索性が向上し、見積作成時間は体感で約半分に短縮された。匠フォースによる業務標準化により見積価格の不整合が解消され、顧客からの見積に関する問い合わせがゼロになった。

また、見積業務未経験のメンバーでも一次見積の作成が可能となり、分業化が進んだことで、しっかりと顧客に向き合う時間を創出できた。

山口県光市にて、1948年の創業時から地域産業を支え続ける白井興業株式会社様。近隣の製鉄会社様をはじめとする大型プラントの部品製作や修繕を一手に担い、設計から加工・据付までを一貫して行う技術力で厚い信頼を獲得しています。

その一方で、見積業務は担当者ごとの経験や判断に依存し、価格のばらつきや根拠の不透明さが大きな課題となっていました。

しかし、匠フォース導入後は、見積の根拠や内訳を可視化し、担当者に依存していた業務を標準化。新人や未経験者でも見積に取り組める体制を整え、分業化への道筋を進めています。

この記事では、年間約880時間/週2日もの見積時間削減に成功し、顧客とのコミュニケーション時間を創出した変革の裏側についてお話を伺いました。

■会社概要

  • 社名:白井興業株式会社

  • 所在地:山口県 光市

  • 事業内容:製鉄機械・プラント設備の修繕・部品製作、および装置の設計から据付までの一貫対応

  • 設立:1948年

  • 従業員数:32名(※2026年6月時点)

  • URL:https://shirai-kk.co.jp/

■ インタビューにご協力いただいた方

白井興業株式会社様 

  • 代表取締役社長:白井 博之 様 

  • 営業部 営業グループ シニアマネージャー:岡崎 宏 様

  • 営業部 営業グループ:植田 淳 様

  • 営業部 営業グループ:新原 綾子 様

  • 営業部 営業グループ:佐伯 愛 様

匠技研工業 

  • 製品本部 プロダクトマネージャー 中野 景太

※本記事の掲載内容はすべて取材時(2026年2月)の情報に基づいています。

「地域で一番の企業へ」巨大製鉄プラントの設備を支え続ける確かな技術力

──中野(匠技研工業):まずは、白井興業様のこれまでの歩みと、事業の強みについて教えてください。

白井様(代表取締役社長):弊社は1948年に設立し、当初は建設業を中心に事業を展開していました。その後、隣接する場所に大手製鉄会社様が進出されたことをきっかけに、機械設備の金属加工業や修繕へと事業の軸足を移し、今に至ります。

岡崎様(営業部 営業グループ サブリーダー):弊社の最大の強みは、お客様と物理的な距離が近く、速やかに現場へお伺いできる機動力や、運搬が短時間なために短納期を実現できるという点です。また、最新の複合加工機やマシニングセンタ、ワイヤーカット放電加工機、レーザー加工機などを用いた高度な機械加工から、製缶、溶接、そして現地での修繕工事まで、すべて自社で一貫して実施できる体制を整えています。

これにより、多種多様なニーズに対し、高品質かつ短納期で対応することができています。

属人化による価格のばらつきと信頼棄損のリスク

──中野(匠技研工業):圧倒的な対応力をお持ちの反面、導入前は見積業務に大きな課題を抱えられていたと伺っています。具体的にはどのような状況だったのでしょうか?

岡崎様(営業部 営業グループ サブリーダー):一言で言えば「完全な属人化」に陥っていました。当時は5名体制で見積を行っていましたが、担当者によって使用するエクセルの書式がバラバラでした。材料費や製作費といった内訳を細かく記載するパターンもあれば、全く記載しない人もおり、統一感がありませんでした。

佐伯様(営業部 営業グループ):過去の見積記録を遡っても「最終的な金額」しか残っていないため、どのような材料を使い、どういった工法・時間を想定してその価格を弾き出したのかが分からず、根拠を推測するしかありませんでした。

そのため、過去の類似案件であっても、担当者が違うだけで見積金額にばらつきが出てしまっていたのです。

──中野(匠技研工業):金額のばらつきは、ビジネスにおいてどのような損失を生んでいましたか?

岡崎様(営業部 営業グループ サブリーダー):お客様から「前回はこの金額だったのに、なぜ今回はこれだけ価格差があるのか?」と矛盾を指摘されることが月に1件ほどのペースで発生していました。根拠が残っていないため回答に窮することもあり、これは単なる金銭的損失というより、お客様からの「信用問題」に関わる非常に恐ろしいリスクでした。

また、弊社では以前から生産管理システムを導入し、案件番号での情報管理を試みていましたが、実際には図面データと見積が紐づいておらず、結局は記憶を頼りに過去の情報を探すなど、非常に非効率な状態が続いていました。

「パッケージではなくカスタマイズ」自社の複雑な修繕業務に寄り添うシステム

──中野(匠技研工業):そこから見積システムの導入を検討されたのですね。数あるシステムの中から、最終的に匠フォースを選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか?

岡崎様(営業部 営業グループ サブリーダー):生産管理システムのベンダー様からのご紹介で、九州で開催された展示会で匠フォースを拝見したのがきっかけです。

弊社の業務は、単に材料を仕入れて加工するだけでなく、「壊れた設備を持ち帰り、機能を回復させて再び取り付ける」という修繕作業が多く含まれます。

そのため、見積の明細項目が非常に複雑になり、市販のパッケージ製品では自社の業務を吸収しきれないだろうという不安がありました。しかし匠フォースは、会社に合わせたカスタマイズが可能であり、私たちの特殊な業務にも柔軟に対応してくれると感じたのが大きな決め手です。

──中野(匠技研工業):展示会で初めて匠フォースをご覧になったときの印象はいかがでしたか?

岡崎様(営業部 営業グループ サブリーダー):実は展示会当日は、匠フォースを見た後に他社の見積システムのブースも回り、両社を比較したうえで判断しようと考えていました。しかし匠フォースのデモを実際に見せていただいたところ、入力の考え方や画面設計が私たちが理想としていたものそのままで、その場で心を掴まれてしまいました。結局、予定していた他社ブースへ足を運ぶのはやめて、匠フォースの検討に絞ろうとその場で即断したくらいです。 

佐伯様(営業部 営業グループ):正直に申し上げると、最初はパンフレットを見ても内容がよく分かりませんでした(笑)。しかし、実際のデモ画面を見せていただいた瞬間、私たちがエクセルで苦労して作ろうとしていた「理想の入力画面」がすでにベースとして備わっていることに衝撃を受けました。操作性を見ただけで「これはいける」と心が惹かれましたね。

岡崎様(営業部 営業グループ サブリーダー):システム導入にあたっては、事前に匠フォーラム(匠フォースユーザー会)やセミナーに参加させていただきました。そこで前田さん(匠技研工業 代表取締役社長)がお持ちになっていた製造業の業界課題に対する深い考え方や熱意に触れ、「この若者たちのチームなら間違いない、日本の製造業を変えてくれるだろう」という安心感と確信を持てたことも大きかったですね。

また、導入前に実際に匠フォースを活用されている兵庫県のユーザー様を訪問し、生の使用感をヒアリングできたことも、社内決裁を進める強力な後押しになりました。

散らばっていた現場の力を、ひとつにする。

匠フォースは、製造業のためのオールインワンAIサービスです。図面管理、見積・原価計算、現場ナレッジを一元的に集約し、ベテランの頭の中や紙・エクセルに眠っていた技術やノウハウをデジタル資産として蓄積。AIが日々の業務をアシストすることで、業務の標準化・効率化だけでなく、工場経営そのものを強化します。

製造業の業務プロセスを深く理解した専門チームが、導入設計から現場への定着まで一貫して伴走。上場企業から町工場まで、幅広い製造現場でご活用いただいています。

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「体感で業務時間が半分に」未経験メンバーも巻き込んだ分業体制へのシフト

──中野(匠技研工業):実際に導入されて1年以上が経過しましたが、現場ではどのような定量的な効果がありましたか?

佐伯様(営業部 営業グループ):見積作成にかかる時間が、体感で約半分に短縮されました。以前は過去の案件を探してゼロから入力し直す作業に追われていましたが、今ではAIによる類似図面の検索や、過去の見積実績をコピーする機能を使うことで、圧倒的に楽に作成できるようになりました。

岡崎様(営業部 営業グループ サブリーダー):弊社では年間およそ3500〜4000件の見積を行っています。仮に1件あたりの作業時間が30分から15分に短縮されたとすると、年間で約880時間、1週間のうち2日もの工数削減が実現できている計算になります。これは会社として非常に大きなインパクトです。

──中野(匠技研工業):週に2日の工数削減はとても大きいですね。次に、属人化の解消や業務のキャッチアップという面ではいかがでしょうか?

新原様(営業部 営業グループ):私は、匠フォースが導入されたタイミングで見積業務に取り組むようになりました。以前は、他の人が作成した見積を見ても、どのような考え方で金額が出されているのか分かりづらい部分がありました。匠フォースでは、画面の案内に沿って直感的に入力していくだけで、初心者でもしっかりとした一次見積を作ることができます。

植田様(営業部 営業グループ):以前は、類似の案件情報や図面を探しても、そのまま見積に使えるわけではありませんでした。匠フォースでは、過去案件をもとに必要な箇所だけを編集しながら進められるので、すぐに見積に取りかかれるようになりました。私が匠フォースを使い始めた時には、すでに白井興業仕様になっていたこともあり使い始めやすく、見積作成が非常に簡単で驚きました。見積作成に対する心理的なハードルが大きく下がったことを覚えています。

岡崎様(営業部 営業グループ サブリーダー):今ではPC操作が苦手な見積業務未経験者であっても、見積を作成できる体制が整いました。以前は、新人に見積業務を任せること自体が難しく、そもそも「何を教えればいいのか」を整理するところから始めなければならなかったため、独り立ちまでには体感で1年ほどを要していました。しかし匠フォース導入後は、原価の積算方法が社内で統一されているため教育プロセスが明確になり、見積業務を自走できるまでの立ち上がりも、1ヶ月程度にまで短縮されている感覚があります。

これからは、現場が作業時間を算出し、事務スタッフが材料費を計算して書面を整え、最終確認を営業が行うという「見積作業の完全な分業化」を目指していける段階にまで来ています。

属人化の解消がもたらす、顧客との新しい関係値

──中野(匠技研工業):見積業務の基準ができ、標準化が進んだことで、価格のばらつきや利益面はどのように改善されましたか?

岡崎様(営業部 営業グループ サブリーダー):一定のルールとマスターデータに基づいた見積作成が可能になったことで、誰が作っても同じ基準で適正な価格が算出できるようになりました。その結果、この1年間、お客様からの「価格の矛盾」に関するお問い合わせは完全にゼロになりました。

──中野(匠技研工業):お問い合わせゼロは双方にとってとても大きな進歩ですね。見積時間が削減されたことで創出したリソースは、どのように活用されていますか?

佐伯様(営業部 営業グループ):お客様とのコミュニケーションにしっかりと時間を使えるようになりました。また、創出した時間でより複雑で難易度の高い案件の検討に注力できるようになり、営業としての本来の価値提供に時間を投資できています。

同じ課題を持つ仲間との出会い ── 匠フォーラムがもたらした横のつながりとAIへの一歩

──中野(匠技研工業):第2回・第4回の匠フォーラム(匠フォースユーザー会)にご参加いただいていますが、コミュニティで得られたものについて教えてください。

岡崎様(営業部 営業グループ サブリーダー):弊社は山口県で初めて匠フォースを導入した企業ということもあり、フォーラムを通じて他地域の導入企業様と横のつながりを築けたことは、大きな収穫でした。匠フォースユーザー同士、フォーラム後も継続的に交流させていただいています。

佐伯様(営業部 営業グループ):直近の第4回の匠フォーラムでは「予実管理」がテーマの一つとして取り上げられており、他社の皆さまも同じ課題に悩まれているのだと知って、それだけでも救われた気持ちになりました。しかもその課題を匠フォースで解決していける未来を、具体的にイメージできたことが本当に嬉しかったです。

また、AIの活用事例も紹介されていて、これまで少し遠い存在に感じていたAIに対して「自分ごと」として当事者意識を持てるようになりました。実は、匠フォーラムをきっかけに個人的にもAIを触るようになったんです。私たちにとってのAIの入り口を、匠フォーラムが開いてくれたと感じています。

見積は『楽しく、ストレスなく』── 白井興業様ならではのカスタマイズ活用術

──中野(匠技研工業):他社様に比べても、匠フォースのカスタマイズをご活用いただいている印象があります。どのような工夫をされていますか?

佐伯様(営業部 営業グループ):見積案件のステータスラベルに、顔文字を組み合わせた独自のカスタマイズを施しています。「見積提出済」や「見積作成中」といった業務ステータスに、思わず頬が緩むような要素を添えることで、システムを開いた瞬間に少し気持ちが上がるように工夫しています。ステータスの色分けも独自に多彩に拡張していて、案件の状態が一目で把握できるようにしています。

案件ステータス変更時、自動で任意の相手に通知を送ることも可能です。詳細情報はこちら

佐伯様(営業部 営業グループ):単なる遊び心だけではなく、システムに対する心理的な抵抗を下げていきたい、という意図もあります。長年使い慣れたExcelから新しいシステムに切り替えるとき、どうしても「難しそう」「とっつきにくい」という感覚が先に立ってしまうものですが、こうしたちょっとした工夫があるだけで、見積という業務そのものが「楽しく、ストレスなく」できるようになると感じています。私自身、以前はExcelでひたすら行を追加しながら格闘していた頃と比べると、見積業務に向き合うときの気持ちがまったく変わりました。

──中野(匠技研工業):最後に、白井興業様の今後の展望や、全国の製造業の方へ向けたメッセージをお願いします。

白井様(代表取締役社長):日本の製造業は、今まさに大きな転換期を迎えています。中でも我々のような中小製造業において解決すべき重要な課題は、「業務の属人化」と「人手不足への対応」です。そのためには、デジタルツールを積極活用し、社員全員が情報をリアルタイムに共有できる環境整備が急務です。

弊社におけるこれまでの営業職は、技術的な目利きや図面の読解、CADの知識など多くの専門技能が求められ、非常にハードルが高い職種でした。しかし、匠フォースによる分業化が進むことで、そのハードルを下げ、次世代へ確実に業務を引き継いでいくことが可能になります。

大企業よりも中小企業の方が、全社をあげてのDXや業務改善の一歩を踏み出しやすいのは間違いありません。このメリットを最大限生かし、少数精鋭で極限まで生産性を高め、積み上げた利益を社員に還元するサイクルを構築していくこと。

それが「人が育ち、技術が磨かれ、地域に必要とされるものづくり企業」であるための、私たちの使命だと考えています。

■編集後記

営業グループの方々が「直感的に操作できて楽しい」と笑顔で見積業務に参画されているお話を伺い、システムが単なる効率化ツールを超えて、社員の働きがいや組織の連携を生み出す「チームの資産」になっていることに胸が熱くなりました。
これからも白井興業様のさらなる飛躍を、匠フォースチーム一同、全力でご支援させていただきます。

製品本部 プロダクトマネージャー 中野 景太

監修者

中野 景太

なかの・けいた

)

製品本部

プロダクトマネージャー

匠技研工業株式会社

前職:大手証券会社(営業、顧客・コンプライアンス管理 担当)

大学時代は航空部に所属し、パイロットを目指して仲間と切磋琢磨する日々を送る。 新卒で大手証券会社に入社し、営業および管理業務に従事する中で、「組織の歯車ではなく、自らの手で事業を創り出し、社会を良くしたい」という想いを強め、2023年に匠技研工業へ参画。

現在はプロダクトマネージャーとして、「導入企業様に、常に価値を感じていただくこと」をミッションとし、現場への訪問やきめ細やかなサポートを行う。モノづくりに携わる全ての人々が、誇りを持って働ける世界の実現を目指し、日夜奔走している。

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