京和精工株式会社

京和精工株式会社

所在地

近畿地方

従業員数

1~50名

業種

切削加工

京和精工株式会社

京和精工株式会社

見積

公開日:

「蓋を開けたら赤字」からの脱却。「どんぶり勘定」を見直し、年間黒字の創出へ!

具体的な課題と導入効果

導入前

「記録」が残らない見積業務と、属人化による赤字案件の常態化

見積は図面への手書き計算のみで、根拠なき価格設定が常態化していた。一部の担当者への属人化により引継ぎが困難な状態であった。
月1,000件超の見積依頼があり、リピート案件は過去の価格を踏襲せざるを得ず、赤字案件が後を絶たなかった。

導入後

全社で利益を意識でき、根拠ある価格交渉で黒字化を実現

匠フォースへの案件履歴蓄積により、属人化していた見積業務をわずか1週間の引継ぎでスムーズに移行。案件ごとの利益率が可視化されて根拠ある価格交渉が可能になった。
また、現場の加工者にまで利益意識が芽生え、黒字化を積み重ねる体制が実現した。

大阪・高槻市で金属切削加工を手がける京和精工株式会社様。「受注したその日に加工、翌日納品」の特急対応力で、半導体・自動車・産業機械と幅広い業界のお客様から信頼を寄せられています。

しかし、見積業務は根拠のない「どんぶり勘定」が常態化し、赤字案件が後を絶たない状態でした。2023年6月の匠フォース導入を機に、利益率の可視化と価格設定の体系化が進み、年間を通じた黒字創出が見込める状態にまで改善しています。

前任者から1週間の引継ぎを経て見積業務を担う北鳴宏規様、導入前から見積業務を支える濵﨑真恵様・土井智子様にお話を伺いました。

■ 会社概要

  • 社名:京和精工株式会社

  • 所在地:大阪府高槻市

  • 事業内容:金属切削加工(マシニングセンタ・旋盤による鉄・アルミ・ステンレス加工)

  • 設立:1984年

  • 従業員数:約31名

  • URL:https://kywsk.com/

インタビューにご協力いただいた皆さま

京和精工株式会社様

  • 工程管理チーム 原価管理課 北鳴 宏規 様

  • 業務グループ 濵﨑 真恵 様

  • 業務グループ 土井 智子 様

匠技研工業

  • カスタマーサクセス 國馬 秀治

  • 製品本部 プロダクトマネージャー 中野 景太

※本記事の掲載内容はすべて取材時(2026年4月)の情報に基づいています。

「蓋を開けたら、材料代しか乗ってなかった」──根拠なき見積が招いた赤字体質

──國馬(匠技研工業): 京和精工様の事業内容や強み、匠フォース導入前の課題について教えてください。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): 弊社は金属切削加工がメインで、一番の強みは、特急対応です。社内である程度材料在庫を抱えているので、注文が入ったその日に加工に入り、最短で翌日納品ができます。材料業者さんとの長年の関係性や、熟練した工程設計力・加工技術力も強みです。工程を短縮できる分、競争力のある価格を提示できています。

ただ、見積業務に関してはひと言で言えば「根拠のないどんぶり勘定」でした。見積の記録がほとんど残っておらず、図面に手書きで数字を書き込んで回答していた状態です。原価管理の体制も整っていなかったので、受注量はあれど、赤字案件がしょっちゅう発生していました。

──國馬(匠技研工業): 見積業務はどのような体制で行われていたのでしょうか。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): 見積は、創業社長や前任の担当者など、加工の知識がある者しか対応できませんでした。ノウハウが抽象的で、「人それぞれの感覚」で金額を決めていました。創業社長から前任担当者へ見積業務を引き継いだ際も、リピート案件は過去の回答価格をそのまま踏襲せざるを得ず、赤字でも仕事を受けるスタイルになっていたと聞いています。

月に約1,000件以上の見積に対応していましたが、前述の通りリピート案件は過去の金額のまま見積回答していたのでスピードは早かったです。ただ、スピードはあっても利益が取れていない状態でした。

──國馬(匠技研工業): 値上げ交渉は試みていたのでしょうか。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): お客様から過去の金額リストをご提示いただいた際、今の材料費や切削工具の価格とは見合わない安価な金額になっていることもありました。その度に値上げ交渉を試みるのですが、根拠がないので難しいのが現実でした。

濵﨑様(業務グループ): 事務側でも、過去の案件管理はPDFや図面番号でしか行えていませんでした。案件を確認するたびにファイルを一つひとつ開く必要があり、図面番号が違っていても実際には同じ商品というケースもあるため、探し出すまでに膨大な時間がかかっていました。

土井様(業務グループ): 古い案件になるとファイルの山から探すしかなく、結局見つけられないこともありました。

──國馬(匠技研工業): 現場の加工者の方と見積業務の接点はあったのでしょうか。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): ほとんどなかったですね。加工者は見積金額を知らずに作業をしていて、会社の利益につながるような連携はありませんでした。

「新しいことをやっていこう」──社長の一声で始まった見積DX

──國馬(匠技研工業): 匠フォース導入のきっかけについて教えてください。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): 私が見積業務に関わるようになった時には、匠フォースは既に運用に乗っていました。導入は当時の社長の方針で進めたと聞いています。とにかく、「新しいことをやっていこう」という改革派の社長でした。

──國馬(匠技研工業): 記録によれば、社長様は「まずは社員が幸せになって欲しい。それができたら顧客も幸せになれると本気で信じている」とおっしゃっていて、業務効率化を通して、社員の働き方を変えたい。という想いから始まった取り組みだったようですね。ご導入時は、お問い合わせからわずか10日ほどでご契約をいただき、類似図面や過去案件の検索が即時にできる点を評価いただいておりました。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): 社長は外から来た方で、会社の状況を可視化したい、データとして把握したいという意志がとても強かったです。業務を効率化し、きちんと儲かり従業員にも還元できる会社を目指して、導入を推進されたのだと思います。

──國馬(匠技研工業): 導入時、社内の反応はいかがでしたか。新しいものを導入する際には、ある程度抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): 私自身は大きな壁は感じませんでした。匠フォースの改善要望を出すと迅速に対応してもらえて、必要な環境づくりをスムーズに進められました。今ではほとんどの見積を匠フォースで作成できています。

濵﨑様(業務グループ): 導入当初は、紙の図面をアップロードする作業など少し手間に感じることもありました。でも繰り返すうちに当たり前になり、今ではまったく抵抗感はないです。要望に対して迅速に対応してもらえるのもありがたく、社内でも「案件番号を連動させよう」といったルールを決めていくなど創意工夫が生まれ、自分たちが求める運用環境に近づけていけました。

年間黒字の創出、1週間の引継ぎ──数字と体制が物語る変化

──國馬(匠技研工業):匠フォース導入後、いちばん大きく変わった点はどこでしょうか。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): 元々、見積の回答スピードには大きな課題を感じてはおりませんでしたが、案件ごとの利益率が可視化されたことで、より正確な見積を作成できるようになった点が大きな変化です。どんぶり勘定の頃にはできなかった、案件や顧客ごとの柔軟な価格提案ができるようになりました。

──國馬(匠技研工業): その点は、京和精工様、お客様双方にとってとても大きなメリットですね。売上や利益率など、経営面ではどのような変化がありましたか。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): 利益率の可視化と適正な価格設定ができるようになった結果、収益性は大きく改善しました。以前は利益が全く取れていなかった案件でも、1案件ずつ地道に交渉と改善を重ねています。匠フォース導入前は赤字計上となる月も多かったのですが、改善を積み重ねた結果、年間を通して安定した黒字化を見込める状態になってきました。

──國馬(匠技研工業): 価格交渉の場面ではどんな変化がありましたか。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): 以前は前々からの取引実績から価格交渉を諦めていた案件でも、社長や営業担当者が直接お客様を訪問して、「価格を上げないと正直厳しいです」と交渉する場面が増えました。チャージレートの見直しも行っています。原価積算の根拠があるので、お客様とも建設的に話ができるようになりました。

土井様(業務グループ): 事務側でも変化がありました。以前は価格に関するお客様からの問い合わせは、すべて社長の判断に頼っていて、社長が不在のときは対応ができなかったんです。今は匠フォース上で材料費や加工費の内訳が確認できるので、根拠に基づいた一次回答ができるようになりました。

たった1週間で、属人化していた見積業務の引継ぎに成功

──國馬(匠技研工業): 前任者からの見積業務の引継ぎ期間は1週間しかなかったとお聞きしました。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): はい。しっかりと引継ぎを行えたのは、1週間しかなかったです。当時の単純な単価設定──「穴1箇所200円」みたいなやり方をブラッシュアップして、社長と相談しながら効率的な計算方法を独自に確立しました。結果として、以前の価格設定にとらわれずに、今の原価に合わせた価格設定ができるようになって、利益率の改善にも繋がっています。

──國馬(匠技研工業): 1週間という短期間でも移行できた背景には何があったのでしょうか。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): 匠フォース上に案件履歴が全て残っているので、前任者不在でも過去の情報にアクセスできる状態だったのが大きいです。私は正直アナログ人間なのですが、紙ベースの業務だったら1週間の引継ぎはできなかったと思います。

現在は私ともう1名の2人体制で見積業務を行っています。もう1名は加工の専門知識はなかったのですが、PCスキルに長けていて学習意欲が高く、匠フォース上に情報があるのでスムーズに教育ができています。今では私が不在でも、図面の登録や材料費・表面処理費の見積を先行して進めてくれて、出社したら私が加工費を追記する形で対応できています。特急案件については自身で加工費も計算し社長承認まで進めてくれるなど、柔軟な体制が組めるようになりました。

散らばっていた現場の力を、ひとつにする。

匠フォースは、製造業のためのオールインワンAIサービスです。図面管理、見積・原価計算、現場ナレッジを一元的に集約し、ベテランの頭の中や紙・エクセルに眠っていた技術やノウハウをデジタル資産として蓄積。AIが日々の業務をアシストすることで、業務の標準化・効率化だけでなく、工場経営そのものを強化します。

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「適正な利益を確保できる見積を提示してほしい」──全員が利益を見て動く現場へ

──國馬(匠技研工業): 現場の加工者の方との関わりについては、どのような変化があったのでしょうか。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): 現場の加工者は、匠フォース上で設定された見積金額をベースに、「この作業時間内でやり切ろう」という意識を持って作業に当たってくれています。一方で、見積回答より先に加工が進むケースもあり、その場合は現場で実際の加工時間を把握したうえで最終的な見積金額を決めています。

また、現場から「この内容なら、もう少し見積金額を上げてほしい」と意見が出ることもあります。利益率が可視化されたことで、現場のメンバーが会社全体の利益を意識して発言してくれるようになったのは、とても良い変化だと感じています。

──國馬(匠技研工業):チーム全体で利益に対する意識を持てているということですね 京和精工様では、CSV出力機能を使ったデータ分析もされていますね。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): はい。案件データを一覧で確認し、加工費が十分に取れていない案件がないかをチェックしています。その結果をもとに価格を見直したり、次回以降の見積金額を調整したりしています。以前は、こうした振り返りや分析自体ができていなかったので、とても大きな変化です。

──國馬(匠技研工業): エラーに気付けるようになったことは、業務改善の大きな一歩ですね。その他、業務の効率化面ではどんな変化がありましたか。

濵﨑様(業務グループ): 以前は、過去の類似案件の検索において、人の記憶を頼り、PDFを一つひとつ開いたりしながら過去の図面を確認していました。今では、匠フォースに図面をアップすると、類似の図面が開いた状態で表示されるので、目的の図面を見つけやすくなりました。過去の見積を参照する際も、材料費などの内訳まで確認できるため、安心して後工程の対応ができます。見積担当者による処理費の計上漏れなどにも気づけるようになりました。

「利益を守りながら、長く選ばれる会社へ」──京和精工のこれから

──國馬(匠技研工業): 最後に、今後の展望について教えてください。

北鳴様(工程管理チーム 原価管理課): 新しい業務にも取り組みながら、ルーティーン業務をより効率化し、特定の人に仕事が偏らない働きやすい環境を築いていきたいです。既存のお客様との取引を大切にしながら、しっかり利益を確保していくことも重要です。匠フォースも1年前と比べて機能がどんどんアップデートしていて、私たちの業務に合わせて常に進化していると感じています。

見積のやり方を変えるのは、最初は面倒に感じるかもしれません。でも、根拠が見えるようになると、価格交渉も、現場との会話も、引継ぎの体制も、すべて変わってきます。見えないから手が打てなかっただけで、見えれば変えられる。そう実感しています。

【編集後記】

月1,000件超の見積をこなしながら「赤字かどうかもわからない」状態で走り続けてきた現場が、一件一件の改善を積み重ね、年間黒字を見込める体制へ。現場の加工者が自ら声を上げる組織文化は、数字だけでは表せない変化の深さを物語っています。京和精工様の飛躍を後押しするために、これからも全力で支援してまいります!

カスタマーサクセス 國馬

監修者

國馬 秀治

こくま・しゅうじ

)

カスタマーサクセス

匠技研工業株式会社

人材やSaaS業界で営業のキャリアを積み、
インサイドセールスでは2年連続で社内1位の成績を収める。

「日本の根幹である製造業で、もっと大きな力になりたい」という熱い想いを持ち、匠技研工業に参画。
モットーは、お客様とともに「成長を楽しむこと」。
現場知識を日々アップデートし、お客様にとって一番に頼れるパートナーであるべく、日々邁進中。

匠フォースを通じて、日本のものづくりが再び世界をリードする未来を実現すべく、製造業界の底上げに全力を注いでいる。

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