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深夜0時までの見積業務から脱却!「工場らしくない工場」への進化を支える見積DX

2026.05.21

深夜0時までの見積業務から脱却!「工場らしくない工場」への進化を支える見積DX

医療機器や産業用機器等の幅広い領域で、多品種少量の精密部品加工・試作に対応するミクロ精工株式会社様。金属・樹脂から難削材まで多様な材質を扱い、新規案件を通じて積極的に新しい加工法・知見を取り入れながらものづくりに取り組まれています。 

特に医療機器分野で培われた、微細なバリすら許さない「徹底した品質管理力」は、同社の大きな強みとして顧客から絶大な信頼を集めています。

しかし、その高品質なモノづくりの裏側では、過去の図面や見積を探す作業が「先代社長の記憶」に頼りきりになっており、経営を引き継いだ栗原様(代表取締役社長)が深夜0時近くまで見積作成に追われるという深刻な属人化の課題を抱えていました。

しかし、匠フォース導入後は、見積担当を増員し、価格や納期をお客様ごとの状況に合わせて提案できるほど、経営に余裕が生まれています。

この記事では、深夜まで見積作成に追われていた過去や、匠フォース導入の背景、現場を巻き込んだ運用定着のステップ、そして栗原様(代表取締役社長)が描く「工場らしくない工場」という未来のビジョンについて、詳しくお話を伺いました。


■会社概要

  • 社名:ミクロ精工株式会社
  • 事業内容: 医療用手術用具、各種精密部品・試作部品、超硬・スチール金型、自動化装置関連部品の設計・製造
  • 設立:1971年
  • 従業員規模:18名
  • URL:http://www.micro-seiko.co.jp/

インタビューにご協力いただいた皆様

ミクロ精工株式会社様 

  • 代表取締役社長 栗原 大悟 様
  • 経理・実務担当 大島 恵 様

匠技研工業

  • カスタマーサクセス 飯高 悠貴

※本記事の掲載内容はすべて取材時(2026年1月)の情報に基づいています。

医療機器レベルの「品質管理力」と、現場を支える“気遣い”の力

──飯高(匠技研工業)まずは、ミクロ精工様の事業の強みについて教えてください。試作品など、1個からの依頼も多く受け付けられているそうですね。

栗原様(代表取締役社長):はい。幅広い産業分野において、多品種少量生産に対応していることが当社の特徴です。金属・樹脂から難削材まで何でも対応します。新規案件が多く、常に新しい図面を見るので、新鮮な知識をどんどん吸収できる面白さがありますね。

栗原 様(代表取締役社長)

──飯高(匠技研工業)医療機器の部品も扱われていますが、非常に厳しい精度が求められるのではないでしょうか。

栗原様(代表取締役社長):医療機器は「精度」以上に「品質管理」が厳しいんです。体内に入るものなので、100個中1個でもバリがあれば大騒ぎになります。だからこそ、医療機器を手掛けられているということは、当社が厳密な管理体制を敷けているという証明でもあります。

──飯高(匠技研工業)その徹底した管理体制を、現場ではどのように実行されているのでしょうか。

栗原様(代表取締役社長):全ての品物に対して「何が大変か」「どこを見るべきか」を見極め、それを現場に伝えていくことです。大島は製造業未経験で入社しましたが、品物を見る・触るだけで「どこをどうチェックすべきか」がわかるようになりました。

栗原 様(代表取締役社長)・大島様(経理・実務担当)

──飯高(匠技研工業)未経験からそこまでキャッチアップされたのは素晴らしいですね。大島さんご自身は、どのような点を意識されているのですか?

大島様(経理・実務担当):私はとりあえず触ってみて「触り心地が良いか」を確認したり、光に当てて反射の具合を見たりして、違和感がないかをチェックしています。

栗原様(代表取締役社長):彼女の本当の強みは、お客様がその品物に何を求めているのか、その「真の要望」を察知して、納品物のクオリティへと繋げる力にあります。

単に図面通りに作るだけでなく、「この用途なら、ここまでの滑らかさが必要なはずだ」「お客様はここを気にされるだろう」というポイントを先回りして考え、どうすれば最高の品質を担保できるかを自ら導き出せる。
技術的な知識以上に、そうした「品質へのこだわり」を社員一人ひとりが高いレベルで持っていることこそが、当社のモノづくりを支えています。

先代社長の“記憶”頼り。リーマンショック時の価格で赤字受注した苦い過去

──飯高(匠技研工業)素晴らしい現場力をお持ちの反面、匠フォース導入前は「見積・図面管理」に大きな課題があったと伺っています。

大島様(経理・実務担当):そうですね。図番や品名が全く同じであればサーバーから探せましたが、色々なフォルダを開く必要があり時間がかかっていました。一番困るのは「類似品」で図番や品名が変わっていた時です。検索では引っかからないので、当時担当していた人の記憶頼りになっていました。


栗原様(代表取締役社長):「あれ、これ昔やったやつに似てるな」と思っても、データが出てこない。「あの時、誰がやったっけ?」となり、その人がいなかったり忘れていたりするともう探せません。先代社長は記憶力がとても良く、どこにどのファイルがあるかを全て覚えていました。しかし私には同じことはできず、この属人化した状況に強い危機感を持っていました。

──飯高(匠技研工業)過去のデータが探せないことで、実務にはどのような影響がありましたか?

栗原様(代表取締役社長):前回と違う金額で回答してしまったり、材質やサイズの変更に気づかず見積をしてしまうミスがありました。一番痛かったのは、過去のデータをうまく探せず、リーマンショック時の「めちゃくちゃ安い見積履歴」を引っ張ってきてしまい、赤字受注になってしまったケースです。

当時は私と大島の2名しか見積ができず、夜の0時近くまでずっと見積作業に追われていました。

匠フォース導入の決め手は、担当者の熱意と開発とのコミュニケーション

──飯高(匠技研工業)深夜までの見積業務は本当に過酷ですね。そうした状況から匠フォース導入を決めた経緯を教えてください。

栗原様(代表取締役社長):馴染みの商社さんとリース会社さんが「見積ばっかりやってないで、ゴルフでも行こうぜ!」と声をかけてくれて、匠フォースを紹介してくれました。実は、匠フォースの提案を受けた翌日に、別の会社からも「類似図面検索AI」の提案があったんです。タイミング的にも機能的にも、本当にタッチの差でした。


──飯高(匠技研工業)他社の話を聞いた上で、最終的に匠フォースを選んでいただいた一番の理由はなんだったのでしょうか?

栗原様(代表取締役社長):「システムを作っている開発メンバーと直接話せたこと」です。過去に別のソフトを導入した際、現場の細かい要望が通らず、結局使わなくなって数百万円を無駄にした苦い経験がありました。

その点、匠技研工業さんは営業や開発メンバーの方が直接来て、熱意を持って「こういう風に解決しましょう」と提案してくれました。単にソフトを売るだけでなく、一緒に課題を解決してくれそうだと感じたのが最大の決め手です。

導入の壁を乗り越えた「手厚い伴走サポート」と「チームの力」

──飯高(匠技研工業)導入にあたって、不安だった点や苦労されたことはありましたか?

大島様(経理・実務担当)画面上でのマスキング作業など、細かい調整にはまだ時間がかかってしまう部分もあります。理想を言えば、大きなタブレットにペンで直接書き込みながら見積ができると嬉しいですね。


──飯高(匠技研工業)現場のリアルな課題ですね。開発チームにも強く共有し、改善を進めます!そうした不安がある中で、どのように運用を軌道に乗せられたのでしょうか?

栗原様(代表取締役社長):匠技研工業さんの手厚いサポートと、社内で一緒にやってくれる大島の存在が大きかったです。私一人で立ち上げようとしても絶対に定着しませんでした。また、匠技研工業のカスタマーサクセスの方々が、定期的なミーティングを組んでくれたのも良かった。「課題なんて何もないよ」と思っていても、話していると次々と要望が出てくる。ほったらかしにせず、伴走してくれたのが助かりました。

大島様(経理・実務担当)打ち合わせの中で「類似ファイル検索時、ファイルの中の文字で絞り込み検索をしたい」と伝えたら、すぐに機能として作ってもらえたのはすごく嬉しかったですね。できない理由を探すのではなく、「どうすればできるか」を常に前向きに考えてくれる姿勢には、非常に助けられました。

また、開発メンバーの方と直接お話しできたことで、こちらの要望が単なる意見で終わらず、スピーディーに実際の機能として実装される。まさに、現場の課題解決に寄り添って改善を回してくれる事例だと実感できましたし、私たちにとっても非常に心強い出来事でした。

類似ファイル検索機能

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検索時間は10分の1へ。見積担当者が増え、経営者に生まれた余裕

──飯高(匠技研工業)導入後の「定量的な効果」としてはいかがでしょうか?

栗原様(代表取締役社長):過去の図面を探す時間が劇的に減りました。「やった記憶はあるけどデータが出ない。」と30分〜1時間探していたのが、今はAI検索で一瞬です。体感で検索時間は1/10以下になりました。

大島様(経理・実務担当)入社1年ほどの未経験メンバーでも、誰でも同じように類似図面を探せるようになりました。私や社長がいなくても、事前情報を集めて見積の一次回答を作れるようになったのは大きいです。

──飯高(匠技研工業)属人化が解消され、見積対応メンバーが2名から4名に増えたそうですね。

栗原様(代表取締役社長):はい、おかげで私がサボれるようになりました(笑)。冗談はさておき、社員達に自分で図面を見て責任を持つ意識が高まりましたね。その結果、私自身の自由も圧倒的に増えました。以前は深夜0時まで残業していましたが、今は20時には帰れます。念願だった「ジム通い」もできるようになりました。

大島様(経理・実務担当)仕事の分担ができるようになったので、休むことへの不安がなくなり、休みが取りやすくなりました。


栗原様(代表取締役社長):また、受注率もある程度コントロールできるようになりました。過去の案件履歴を振り返りながら「この案件はもう少し価格を工夫しよう」「この案件は納期を最優先しよう」と、お客様ごとの状況に合わせた提案ができるようになりました。

「AIを使って類似図面を検索している」ということが、取引先への信用にも繋がっています。

匠コミュニティでの共鳴と、ミクロ精工が描く「工場らしくない工場」とは?

──飯高(匠技研工業)先日は、匠フォースユーザー会である「匠フォーラム」にもご参加いただきありがとうございました。

栗原様(代表取締役社長):参加している企業一社一社が前向きで、自ら変革を起こしていこうという同士であり、高い熱量を持っているのが良かったです。感動が止まりませんでした!できれば月1で開催して欲しいです。笑

また、見積の前段階の管理課題など、他社さんとの実務的なノウハウ共有やディスカッションが非常に参考になりました。

匠フォースユーザー会「匠フォーラム」での一枚

大島様(経理・実務担当)「見積の中身と、実際の加工実績の答え合わせをする」という他社さんの取り組みが印象的でした。これができれば見積の精度も上がるし、加工者の技術向上にも繋がるので、当社でもぜひやってみたいです。

──飯高(匠技研工業)今後の匠フォースへの期待や、御社のビジョンを教えてください。

栗原様(代表取締役社長):機能としては、当社の自社サーバーに蓄積されている「現場の実績データ(加工の段取りや刃具等のデータ)」と匠フォースのデータを突合できるようにしたいです。そして将来的には、3D CADのデータから自動で切削時間や見積金額を算出できる機能ができたら最高ですね。

当社としての今後の展望は、これまで培ってきたものを積み上げ、お客様からの難しいご要望に対して「それはできません。」と断らない工場であり続けたいと思っています。

もう一つは、製造業というと「キツくて汚れる」というイメージを持たれがちですが、「作業着を着なくても汚れないからいいね」と言えるような、クリーンでスマートな環境にしていきたいです。

匠フォースの導入によって、属人化が解消され、定時退社や休みの取りやすい環境が生まれたことは、まさにその理想へ向けた大きな第一歩です。

この「工場らしくない工場」を実現するための強固な土台として、これからも匠フォースを最大限に活用し、一緒に進化していきたいです。

【編集後記】

深夜0時までの見積業務から脱却し、チーム全体でカバーし合える仕組みを作り上げたミクロ精工様。作業着が汚れず、誰もがスマートに、誇りを持って働ける「工場らしくない工場」へ。その理想を実現するための強固な土台として、今後も全力でサポートしてまいります。

カスタマーサクセス 飯高

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