キリシマ精工株式会社

キリシマ精工株式会社

所在地

九州地方

従業員数

51~100名

業種

切削加工

キリシマ精工株式会社

キリシマ精工株式会社

見積

公開日:

「紙と記憶と勘」の属人化業務を"会社の資産"に変える「データドリブン経営」への軌跡

具体的な課題と導入効果

導入前

「紙と記憶」に縛られた見積業務と、属人化による回答遅延

見積対応できる担当者が2名に限られ、印刷やExcel計算などアナログな手法により回答まで1〜2日を要していた。過去図面の検索にも約20分かかり出張時は対応不可となるなど、業務のブラックボックス化やお客様への回答遅延が課題であった。

導入後

検索は「数秒」、担当者は「7名」へ。データに基づく経営判断を実現

AI図面検索により20分かかっていたデータ探しが「数秒」に短縮。アシスタントを含め見積対応人員が7名へ拡大し、出張中の即時対応も可能になった。レポート機能で業界別受注率などを可視化した、データドリブンな経営判断を実現している。

鹿児島県霧島市の工業団地に、全国でも有数の精密加工技術を持つ工場があります。

キリシマ精工株式会社は、超精密金属切削加工を専門とする会社です。従業員53名という規模ながら、コバール(鉄・コバルト・ニッケル合金)といった難削材の加工を国内でも数社しか扱えないレベルで実現し、光通信・半導体・医療機器という、高い精度を問われる産業に対して部品を提供しています。

しかし、これほどの技術力を持つ同社も、見積業務は長らく「紙と記憶と勘」に頼った状態が続いていました。そこに匠フォースを導入した結果、見積回答時間を大きく短縮し、匠フォース上に蓄積されたデータを基に、経営方針を決定するデータドリブンな組織になっています。

今回は、匠フォースが単なる図面管理・見積ツールを超え、「経営判断のインフラ」へと進化を遂げたキリシマ精工様の変革の軌跡をお届けします。

■ 会社概要

  • 社名:キリシマ精工株式会社

  • 所在地:鹿児島県霧島市

  • 事業内容:超精密金属切削加工

  • 設立:2006年

  • 従業員数:53名

  • URL:https://kirishima-seiko.jp/

インタビューにご協力いただいた方

キリシマ精工株式会社

  • 代表取締役 西重 潤一 様

  • 営業 部長 佛山 正信 様

  • 営業 課長 永田 博文 様

  • 営業 島田 崇司 様

匠技研工業

  • カスタマーサクセス 飯高 悠貴

  • カスタマーサクセス 吉岡 春香

※本記事の掲載内容はすべて取材時(2026年4月)の情報に基づいています。

「提案力・高精度・適正価格」で選ばれ続ける、超精密金属加工のプロ集団

──飯高(匠技研工業)まずは、御社の事業内容と強みを教えてください。

西重様(代表取締役):弊社は創業当初から光通信・半導体関連部品の製造を手掛け、様々な案件に挑戦することで知見と技術を磨いてきました。例えば、コバールという合金の難削材について、これを扱える国内企業は非常に少なく、ご依頼をいただいた大手企業様から「キリシマ精工さんともう1社しか見つからなかった」と仰っていただいたこともあります。

10年ほど前からは医療機器分野にも参入しました。リーマンショックを経験して、「景気に左右されない会社にしていきたい」という思いが強くなったんです。手術支援ロボット用の部品やカテーテル関連の精密部品など、今では重要な柱の1つになっています。


──飯高(匠技研工業)高精度の加工という点で、御社ならではの強みはどんなところにありますか?

永田様(営業課 課長):1個2個を高精度で作るだけなら、正直どの会社でもできます。私たちの強みは、同じ品質を100個・200個と量産できることです。加工精度・提案力・適正価格の三つが揃って初めて、お客様から継続的に選んでいただける。

もう一つ、自慢できるのが組織の文化です。業務や品質への改善意見が、マネージャーレベルだけでなく、現場の作業者から自発的に上がってくる。QCサークルを通じて、「段取りをなくせないか」「この工程、一発で仕上げられないか」という発想が現場から出てくる。これが、難案件を断らず、チャレンジし続けることで蓄積されてきたノウハウの源泉だと思っています。

また、そのような組織文化だからこそ弊社独自のカーブカット工法を考案し、適正価格かつ短納期を実現することができています。

紙と記憶と勘。見積業務を縛り続けた「属人化の連鎖」

──飯高(匠技研工業)匠フォース導入前、見積業務はどのような状態でしたか?

西重様(代表取締役):一言で言えば、すべてが紙と記憶に依存していました。

お客様から図面が届くと、営業が印刷して製造部の各担当者に渡します。現場が加工時間や条件を手書きで記載し営業に返却する。ここまでで1〜2日かかっていました。そこからさらに材料見積を取り、Excelで計算して値決めをして見積回答をする。月約100件ほどの見積依頼があり、お客様をお待たせするのは当然のアナログ業務でした。

正直、お客様から督促をいただくこともありました。出張中だと、社内サーバーに入るのにも手間がかかって、出張のたびに「もし急ぎの見積依頼が来たら…」という不安を抱えていました。

──飯高(匠技研工業)過去の類似案件を参照したい時はどのようにされていましたか?

佛山様(営業部 部長):数ヶ月前の見積・図面を探すのが、本当に大変でした。メールの日付を頼りにファイルを遡って、ようやく見つかった時には20分かかっていた、ということもザラでした。出張中はもう手が出ません。

同じ部品でも、担当者が違えば見積金額が変わってしまうこともありました。お客様から「以前と価格が違うのはなぜ?」と指摘を受けることも、数ヶ月に一度はあったと思います。

展示会での偶然の出会いが、変革の起点に

──飯高(匠技研工業)匠フォースを知ったきっかけを教えてください。

西重様(代表取締役):福岡で開催された「ものづくりフェア」でした。私たちが使用している生産管理システムのブースに立ち寄ったとき、「匠フォースという見積システムと連携できる」という話を聞きました。そのまま近くのブースに出展されていた匠技研工業さんのところへ行ったのが最初の出会いです。

──飯高(匠技研工業)導入の決め手はどのあたりにありましたか?

西重様(代表取締役):AIで「全自動で見積が出る」というシステムも検討しましたが、正直、使い勝手に不安を感じました。私たちの仕事は、図面1枚1枚、求められている仕様が大きく異なります。素材が変わればコストも変わる。「AI任せ」ではなく、AIによって過去案件を検索し、自分たちで適切に判断ができる仕組みの方が合っていると思ったんです。

あとはOCR機能。品名・品番を一つひとつ手入力していたのが自動化されると聞いて、「これだ」と思いました。

見積担当者が2名から7名へ。20分の探しものを「秒で解決」するAI過去図面検索

──飯高(匠技研工業)導入後、業務はどう変わりましたか?

佛山様(営業部 部長):一番大きかったのは、見積に携わる人が増えたことです。以前は2名しか対応できなかったのが、今では7名が見積を作れるようになりました。出張中でもURLをクリックすればすぐにアクセスできるので、タイムラグなく対応ができる。督促の連絡もぐっと減りました。

島田様(営業部):アシスタントの社員も見積に対応できるようになって、見積の登録から案件作成までを依頼しています。最初は恐る恐るという関り方でしたが、いざ匠フォースを触ってみると「どうにかなるな!」と抵抗感なく使うことができ、今では当たり前のように見積分業ができています。

──飯高(匠技研工業)過去図面の検索についてはいかがですか?

佛山様(営業部 部長):以前20分かかっていたものが、秒で出てくるようになりました。「よくこれを探し出した」というくらいの類似度でも、ちゃんとヒットする。品名だけ変わっているケースでも、図面そのものから検索できるので、価格のばらつきも格段に減りました。

材料見積の依頼書も、以前はExcelで一件10〜15分かけてコピペし作成していたものが、今ではボタン一つ。OCRで品名・品番が自動入力されるので、手入力のミスもなくなりました。

散らばっていた現場の力を、ひとつにする。

匠フォースは、製造業のためのオールインワンAIサービスです。図面管理、見積・原価計算、現場ナレッジを一元的に集約し、ベテランの頭の中や紙・エクセルに眠っていた技術やノウハウをデジタル資産として蓄積。AIが日々の業務をアシストすることで、業務の標準化・効率化だけでなく、工場経営そのものを強化します。

製造業の業務プロセスを深く理解した専門チームが、導入設計から現場への定着まで一貫して伴走。上場企業から町工場まで、幅広い製造現場でご活用いただいています。

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月次レポートが、社内の「意思決定」を変えた

──飯高(匠技研工業)匠フォースのレポート機能については、ご所感如何でしょうか?

永田様(営業課 課長):これが、一番驚いた部分かもしれません。

毎月、材質別・担当者別・業界別・顧客別等で受注率や売上を分析できるようになったんですが、ある月次レポートを見たとき、医療機器関係の案件の受注率が他の分野より明確に高いことがわかったんです。

それまで医療機器の営業は社長が中心でやっていましたが、「このデータを見れば一目瞭然だよね」ということで、「他の営業担当者も医療機器分野に注力していこう」という方針を、データをもとに意思決定することができました。
──飯高(匠技研工業)感覚ではなく、データを基に方針を決められた、ということですね。

西重様(代表取締役):そうです。もう一つ、「早く見積を回答した案件ほど受注率が高い」というファクトもレポートから見えてきました。現在弊社では、48時間以内の見積回答を社内の指針にしています。今はまだ100%の回答率ではないですが、確実に増えてきています。

もちろん匠フォース導入以前から「見積は早く返した方がいい」というのは感覚的にわかっていたことです。しかし、データで「XX%の案件が48時間以内に回答できており、その受注率はXX%だ」と定量的に見えるようになったとき、初めて「指針」として社内の目指すべき旗印になる。匠フォースが経営判断のインフラになっている、と感じる瞬間です。

「壁しかなかった」導入初期を乗り越えた、現場の姿勢

──飯高(匠技研工業)導入初期はどのように匠フォースや新しい業務フローに慣れていきましたか?

永田様(営業課 課長):最初は「壁しかなかった」というのが正直なところです(笑)。でも、エラーを出さないと覚えられないので、とにかく触ってみた。間違ってもいいから、まずやってみる。そうやって習得していきました。
島田様(営業部):特に壁は感じず、「触ればどうにかなる」という気持ちで進めたら、気づいたら普通に使えるようになっていました。マニュアルが匠フォース上で見れたら良いなと感じていたので、そのアップデートも嬉しかったです。

「景気に左右されない会社」へ。データが照らす次の一手

──飯高(匠技研工業)今後の展望と、匠フォースへの期待を教えてください。

西重様(代表取締役):半導体・光通信の仕事はシリコンサイクルの波があります。だからこそ、医療機器分野を含めてさまざまな業種のお客様と取引できる体制を作り、景気に左右されない会社にしていきたい。

その意味でも、匠フォースのレポートを基に業界・顧客・社内担当者ごとに受注率や動向を分析し、データを見ながら適切な経営戦略を組み立てていくことが今後ますます重要になると思っています。

島田様(営業部):システム面では予実管理機能にも期待しています。見積の数字と、実際の加工時間の実績を比較できれば、原価の整合性が取れる。それが実現したら、さらに見積や工程予測の精度が上がると感じています。

属人化業務を、AI活用で"会社の資産"へ。

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編集後記

米粒の1/10よりも小さい切削加工品のハサミを見ながら、この超精密加工技術の背景には、「ボトムアップで変えていこう、挑戦しよう」というものづくり企業としての熱い想いがあるということを感じました。

そんなキリシマ精工様の経営判断の礎をわずかでも支えられていることを誇りに思います。これからも互いに挑戦し続ける気持ちを持ち、CS担当として走り続けます!

カスタマーサクセス 飯高

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